前回の続きです。
仲人を始めるに至った経緯などを前回は書かせていただきました。
素人会員(これは普通・・)と素人仲人の二人三脚でのスタート・・・・
幸いなことに本当に世話好きと言うか、お節介なくらいなんでも教えてくれる先輩仲人さんにも恵まれ、新しいことだらけの仲人業に引き込まれていきました。
「新井先生!、明日は宜しくお願いしますね。。。」なんて電話を頂くと、”新井先生”を探してキョロキョロしてしまったものです。
今では、仲人同士では先生と呼ばれるのにも慣れて来ましたが、私のことは”新井さん”で十分なんですけどねえ・・。
一年くらい、見よう見まねでお世話を続け、何となく仲人には見えるようになって来ました。
~業界の納得できない矛盾に直面!~
会員さんに成婚もポツポツしていただくようになり、一年も過ぎる頃には一人前の仲人気分すら持ち始めていたある日。。
「こんなもん、縁のもんやさかいなあ・・・・・」
お見合い時にお会いした、某結婚相談所のベテラン仲人さんの言葉・・・・
「??・・」「確かに縁のものやけど・・・だから会わせるだけでいいのか??・・・!!」
会員さんが増えて、組織が大きくなってゆくと、いつか自分もそう思うようになるのだろうか??
この先に進むには、私の趣味の延長のような考えではいけないと、しっかり足元を見ようと考えました。
それまでは仲人業務を間違えずにすることばかりに気を取られていたので、経営として仲人業について考えることはあまりありませんでした。
人を雇ってまで業務をするレベルになるなら、それは経営です。
お世話好きだけの考えで進めていては、誰かに迷惑をかける日が来ます。
資本主義における会社としての「結婚相談所」と考えると、一円でも利益を出した方が正しいです。
これは、まっとうな考えで、毎年昇給する、福利厚生がしっかりしている、”良い会社”ですよね。
結婚相談所の売上は 「会員数 × 会費」が基本です。
売上を上げよう!・・・どうしたら良い?
会費の値上げは簡単にはできません、仲人協会加盟では上限も定められています。
会員を増やそう!・・・どうしたら良い?・・・会員を募集しよう!・・・会員を減らさないようにもしよう!
えっ!
相談所の会員が減る時は二つの理由しかありません。
・うまくゆかないと婚活をやめるとき。
・成婚して退会する時。
「婚活している満足感を与えて、ずるずる長い間活動させる」・・・これが、相談所が一番利益を出せる経営です!
”結婚のお手伝いをする”、提供しようとしている成果と、企業の利益がこんなに相反している業種は稀です、本当にショックを受けました。
日本仲人協会に加盟した頃から聞いている、構造的な”悪徳業者”の温床になり得る要素がある。
本当にそうだと思いました。
成功報酬制でお世話をしよう、”会員さんの目指す成婚”と”成婚により得られる報酬”、両者の見る方向を同じにしないと間違った経営になる。
加盟時から聞いている意味が本当によく理解できた瞬間です。
~本来の仲人とは?の疑問!~
たくさんの結婚相談所や情報サービスの料金システムを見ても、活動前の解っていない方が陥る巧妙な利益システムを感じます。
なぜ?の先に見える原因には、失礼ですが活動される会員さんにもあります。
お金を払うのだから、無茶なお相手と結婚できると思っている方・・
仲人やアドバイザーのアドバイスを全く聞かず、後でクレームをつける方・・
自分勝手な都合ばかりを言ってくる方・・
ほとんどの方は真摯に活動されているのですが、困った会員さんがいらっしゃるのも事実です。
真摯な方、困った方、(入会後に困った方に豹変する人もいます)。。全てを総合的に考え、安定した経営を探す中で出来上がったシステムなのかも知れません。
基本的にお世話が好き、会員さんの幸せな顔が見たい、そのような方が初めから巧妙な利益システムを目指してこの業界に入るとは思えないです。
「これは、やばいなああ・・・」
当時の正直な気持ちです。
私も人間ですから感情があります、人が信じられなくなる恐怖を感じました。
利益が出れば良い!、の結婚相談事業者に自分自身が気づかないうちに、なってしまわないかとも思いました。
個人情報の保護などが今ほど言われていなかった時代、どこの街にも世話好きの仲人さんがいました。
お見合について行けば、お足代程度はいただいていたようです。
ご成婚されたら、新婚旅行のお土産を楽しみにしているような、本当に善意でご縁を取り持つ仲人さんです。
そのような仲人さんの取り持つご縁は、家柄のバランスや年齢のバランスなどの取れた、地域に根差したお世話です。
~仲人業に背を向けかけた時に気づいた真実!~
今から、仲人を目指す方にもお伝えしたいです。
昔話、シンデレラの魔法使いのお婆さんのような考えでお世話をすると、起こりえないご縁を起こすことがすごい仲人、無茶な話をまとめる仲人が名仲人、のような勘違いに陥ります。
昨今の婚活に関するネット情報を見ても、多かれ少なかれ、若くてきれいな女性と結婚する、三高条件の男性と結婚するの方向からはなれていません。
需要があるから供給があるのか?求める人がいるから、魔法使い仲人に成りたがるのか?
私自身も、2年近く仲人をしていながら少なからずこの考えを持っていました。
無理な話は難しいと言ってあげること、バランスのとれたお相手を教えてあげること、身内のように気持ち寄り添ってお世話をすること。
昔の仲人さんが”親代わり”と言われていたこともよく解ります。
「おこるべき幸せなご縁を必ず繋ぐ」
仲人の仕事はこれが全てです。
稀に起こる、すごいと思うご縁は仲人の仕事ではありません。
変な偶然を待っている会員さんを、歳を取らせて手遅れにならないようにする方がご本人の為です。
夢を見ていた方も、無茶なご縁を求めていた方も、この方と幸せになれると信じて、努力の覚悟と、幸せな未来を予感して結婚されます。
納得したから婚姻届にハンコを押すのです。
「絶対的な成婚主義!」
このころの葛藤の中で、今日まで、これからも揺らぐことのない私の仲人としての方針は固まりました。
~開き直った選択、NPO法人への改組・・・!~
50歳を前にした年齢で、自分の納得できないことはできない。
人生の先の長さを考えると、間違ってからの方向修正は難しい。
利益追求で結婚相談業をしてしまうと矛盾を抱える・・。
理想の仲人さんたちは昔のご近所仲人さんたちである。
非営利でのお世話、滋賀の地域密着での仲人業、私も努力しながら会員さんにもご協力いただく、成婚を目指すクラブのようなスタイルの結婚相談所。
頭の中におぼろげながら浮かんできたのが、幣会の前身「NPO法人滋賀キューピットクラブ」です。
この頃から、会員さんとはかなり親しくしていましたので、今回のブログに書いているような私が迷っている理由や内容は、全て当時の会員さんにお話ししていました。
10人以上の名寄せでNPO法人化したい、会員さんにお願いして発起人に名を連ねていただきました。
活動中の会員さんに、副理事長、幹事、など役員の就任もお願いしてのNPO法人化です。
仲人を始めた時もそうですが、今回も会員さんと二人三脚でスタートです。
当時の役員をしていただいた会員さんも皆さん成婚されました、お子さんを連れて顔を出されると本当に嬉しいです。
本当に幣会を育ててくださったことに感謝いたします。
~拠点を草津に
~NPO法人、名称の変更
~キューピットクラブはどこへ行くのか、自己組織力~
などは、次の回にお話しします。
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婚活が初めての方も安心!
滋賀の結婚相談所ならキューピットクラブ
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